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5/とある金曜日の回想劇

「しかし、よかったのかホイホイついてきて」
「なに、構わんよ。『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』、周りから味方に引き込んで最後に手に入れるというのも一つの手だ」
「まぁ、それならそれでいいんだが…」
 学校の近所に存在する高校生がいたらちょっと危ない店。
 珍しい組み合わせの人間と俺は一緒にいる。
「ふむ…意外と少ないな、予想ではお腹一杯になると思っていたが」
「まぁ、あいつは飯を食うより飲みが専門だからな」
「なるほど、いやいい勉強になった。これで私もジョージの好みがおよそ特定できた」
 ジョージの彼女(?)、江口満子。
 なぜか俺と江口は、居酒屋で飯を食っていた…何故だ?

 そもそも、俺は学校に無断で(もうバレているが)居酒屋でアルバイトをしている。
 特にここ最近は体育の芦里先生(虚乳)と保健室の牛谷先生(巨乳)が一緒に来店して、芦里先生が潰れて帰ることが多い。つか、虚乳ちゃん、泣き上戸だったのね。
 今日もきょにゅーコンビ(俺命名)が帰ったことを確認して、お見送りをかねて外に出ると、そこには江口がいた。
 ビックリしてしばらく突っ立っていたら、いつの間にか大将が俺のそばに寄って脳天に響く一撃とともに中に入ってもらえという一言を頂戴する。
 そのまま、江口に中に入ってもらってそのまま俺のバイトを終わらせてもらい、一緒に飯を食うことになった。
 以上説明終わり。
 江口は黙々と飯を食べ、俺はその姿を見ながらちびりちびりと杯を傾ける。
 しかし、こいつは一体何をしに来たんだ?
「そうだ、タックン」
「ぶほっ!」
 盛大に酒噴いた俺、まさか江口からタックンと呼ばれるとは。
「あぁ、しまった。ジョージがいつも『タックン』『イマイチ』と呼んでいるのでついつい癖で呼んでしまった」
 おいそこ、真顔ぶってる振りして『ふふふ、これで私もジョージ色に染まってきたな』とかいう妄想を振りまくな、エロ○コ委員長。
「よくわかったな」
「地の文にツッコミを入れるな、というか本当に思っていたんかい!」
 こいつ、どんだけ特殊能力を備えているんだよ。
「で、いいかな香坂」
「なんだ、どんとこい。ちなみに俺の燃えるものは『巨大ハンマー ドリル ロボット』だぞ」
「ジョージはわかるか?」
「あいつはカオルに聞いたほうがいいだろ、ちょくちょく会っているみたいだし」
 江口香琉(カオル)、目の前の江口の双子の妹…じゃなかった、弟にして妙に女装が似合うプリティーボーイ。
 江口の間違った知識はたいだいカオル経由で受信している。やっぱりぶっ飛んだ思考をしているのは江口の弟たる所以か。
「何…カオルめ、よくお洒落をして出かけていると思ったが、まさかジョージと逢引していたとは…やはり、姉弟好みもよく似る」
 真実はカオルとジョージ妹をくっつけようとしているだけなんだが。
 発案者俺、だって楽しそうだし。
 実際、やはり姉によく似た天然っぷりを発揮するカオルと妄想癖の強い妹ちゃんとの組み合わせは見ていて楽しいものがある。ネタとして文芸部のやつらにデート内容を記録したDVDを貸してみると、作品のインスピレーションが湧いたとのことで謝礼をいただいた。しかし、やつら帯付の諭吉様を持っているとは…襲撃計画をイマイチと俺の二人で立てておこうと決意。
 まぁ、そんなことはどうでもいい。
 とりあえず、今はいつの間にか巨大な長物を片手に持った江口をどうやって落ち着かせようか考えるのが先決だ、俺の命が危うい…

 明け方。
 ジョージから「かゆ…うま…」との留守電とともに、後ろの方から江口らしき女の声が聞こえていたような気がするが、多分俺の幻聴だろう。


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