6/とある土曜日の約束

 土曜日。
 週末に加え、次の日は日曜日という休みを伴った、正に一日を遊びに使ってもDA○SUKE的にもオールOKな一日。
 今日はジョージ・イマイチと一緒に電気街を散策することになっている。
 まぁ、電気街といっても最近は萌え商品を売る店が圧倒的に多くなってきているので、電気街とは言いがたい様相になっていると思うのだが。
 それはさておき、集合場所に向かうと、そこには既にジョージとイマイチが存在していた。
「タックンおせーよ」
「もうあれだね、罰ゲームとして俺らに飯を奢るのが団長と副団長により決定したね」
「ちょっと待て、それはどこの世界を大いに盛り上げるための奇天烈人間の団規則だ。というか俺は平団員かよ」
 お決まりのツッコミを入れて、俺たちは決戦の舞台へ足を運ぶこととなった。

 最近「スマイル0円」を前面に押し出さなくなった某ファーストフード店で飯を食べながら、俺たちは今日の戦利品を話し合っていた。
「はい、今から『タックンの明日の行動予定に関する俺たちの怒りを知れ、大会』を始めたいと思いま〜す」
「ひゅーひゅー」
 訂正、俺に対する尋問が開始されていた、何故だ。
「ちなみに、タックンの明日の行動予定は幼馴染と一緒に買い物らしいですよ」
「一子ちゃんからの情報によると、服を見に行ってスーパーで買い物するのが定番らしいね」
「ちょ、おま、それなんて夫婦?」
「オーケー、言いたいことはよく分かったからジョージ黙れ、あとイマイチ、ミニマム和見の携帯メールアドレス教えろ、1000件イタズラメール送りつけるから」
 もちろん卑猥な内容のメールを中心としたものだがな、と声に出さずに顔に出す。
 ただ単に幼馴染の買い物に付き合う事がそんなに悪なのかね、と言いたい。
 そんな俺の態度に、ジョージとイマイチの怒りゲージが徐々にUP。
「てめ、あんなsneg?みたいな幼馴染と神聖なる学び舎でイチャイチャするだけでなく、下着売り場に一緒に行って似合っているかどうか確認するとかいうイベントをやってるんしゃねぇよこのエロゲ主人公が!」
「そうだそうだ、最近一子ちゃんから『智君の部活の人たち、ちょっと自制するように言ってくれません?』と泣きつかれたんだぜ、お前らのせいで一子ちゃんが泣いたじゃないか、泣き顔が可愛かった、お前らありがとう!」
「シャラップ、黙らっしゃい。俺がエロゲならジョージと江口の絡みは無修正の裏ビデオになるだろ、お前たちの方が青少年にとっては有害だ、あとイマイチの叫びは俺たちに対する不満なのか和見の萌えどころを紹介しているのかが分からん、出直して来い」
 ブーイングを行っている2人に対して的確に返しを行う俺、うーんツッコミ体質ここに極まり。
 不意に、誰かが俺の肩を優しく叩く。
「なんだよー、今からいいとこr…」
 そこには、コメカミに漫画の怒りマークを携え、上半身裸のマスクを被ったレスラーらしき格好をしている人−腰に『店長』と書かれたプラカードを着けていた−がいた。
「お客様、他のお客様のご迷惑となりますので…ご退場をお願いします」
 うん、まぁそうですよねー。

 お決まりのように俺たち3人は店を退却させられた。
 しかし、あの店長…2階から変形フランケンシュタイナーで客を外に投げ飛ばすか普通。  生きているからいいけど。


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